昇段審査の難しさ 3月13日(火)
2007年 03月 13日
五段ともなると技術的にも精神的にも指導者としての技量、格を問われます。わずか1分そこそこの立ち合いのなかで、その評価が下されるわけですから、何をもって合否の基準となるのか気にかかるところです。
当然、打った、当てたの試合剣道ではありません。相手へのプレッシャー、そこで必要になる気勢、気攻め、気合が充分でなければと思います。相手を引き出す、押し返す、機を見て「起こりを打つ」。
これは非力な私の唐突なイマジネーションです。
また、ある先生が言いました。審査に望み、立ち礼から帯刀、蹲踞までの所作でその方がどのくらい稽古を積んでこられたかわかるというのです。
蹲踞の詳しい理由はわかりません。たとえそれが神道の挨拶の名残であろうが、古流武芸の時代の略式座礼の名残であろうが、剣(竹刀)を交えるお相手に対しての最大の敬意を表すものであり、立ち合う覚悟を決めるという、その昇華された心の有りようを表していると思います。